2011年に相応しい REAPER v0.999 活用術

※ここに書いてある文章は書きかけで、2012年になってしまったので今のところ更新する予定もありません。

REAPER v0.999 がリリースされたのは2006年。
これだけ古くても十分に使える素晴らしいソフトですが、少し工夫することで古さを緩和することができます。

このページでは思いつく限りのテクニックを網羅して、REAPER v0.999 を使い倒して行きます。

REAPER とは何か?

REAPER は音を録音したり、複数の音を混ぜたり、音を加工したりできるソフトです。
作曲するために使うこともできるし、音に関する作業を効率よく行えます。
DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)の一種です。

REAPER は正式リリースバージョンとなる v1.0 が出るまでの間、フリーウェアとして提供されていました。
そしてここで紹介する REAPER v0.999 はフリーウェアとしての最終版です。

フリーウェアとしては驚くほど高性能で、荒削りな部分もあるものの十分すぎるほど実用に耐えうる性能です。
下手な市販ソフトを買う前に無料の REAPER v0.999 を試してみてください。有料の釣竿を買わなくても楽しめます。

現在の REAPER 最新版はたくさんの機能追加などが行われ、シェアウェアとしても破格の内容になっています。
購入には PayPal が使えるので、クレジットカードがあれば購入可能です。
興味を持った方は是非 REAPER の最新版も使ってみてください。素晴らしいソフトです。

このページでは、シェアウェア版より需要があると思われるフリーウェア版の使い方について解説していきます。

REAPER v0.999 のかっこいいインストール方法

REAPER v0.999 がリリースされたのは2006年ですが、少し工夫することでナウくインストールできます。
若干特殊なインストール方法になりますが、難しい部分は統合支援ツールが自動的にやってくれます
普通の環境ならキーボードは一切触らずに作業が完了するはずです。

このページは以下の手順で進めていきます。

  1. ダウンロード
  2. インストール

ダウンロード

インストールに必要なファイルは先にダウンロードしておきましょう。
ここでダウンロードするファイルは以下の3つです。

  1. REAPER v0.999
  2. ReaPlugs v2.0
  3. REAPER ReaPlugs 統合支援ツール

REAPER v0.999 のダウンロード

ダウンロードは以下のページから行います。


REAPER | Old Versions」にアクセスするとダウンロード用のリンクがあります。

ReaPlugs v2.0 のダウンロード

REAPER に付属している強力なエフェクタのうち、一部は ReaPlugs という名前でフリーウェアとしてリリースされています。
これは元々他のソフトで REAPER のエフェクタを使えるようにするためのものですが、REAPER にインストールすることもできます。

ReaPlugs は最新版の REAPER と共に開発されており、今では REAPER v0.999 に付属のものよりも新しいものが入手できます。
REAPER v0.999 と組み合わせて、より強化された環境を構築しましょう。

ダウンロードは以下のページから行います。


REAPER | ReaPlugs」にアクセスするとダウンロード用のリンクがあります。

REAPER ReaPlugs 統合支援ツールのダウンロード

「REAPER ReaPlugs 統合支援ツール」は以下の処理を自動で行う自作のツールです。
よくわからない場合は難しいことをやってくれているということだけわかれば大丈夫です。

  • REAPER v0.999 へ日本語化パッチを適用
    (インストール先も可能な限り自動検出)
  • ReaPlugs v2.0 で表示がはみ出す不具合を修正するパッチを適用
    (インストール先も可能な限り自動検出)
  • REAPER v0.999 に付属の古い ReaComp, ReaGate, ReaFir, ReaJS を削除
    (ReaPlugsを組み込むと2つずつ表示されてしまうため)
  • ReaPlugs が REAPER のエフェクト検索対象になっていない場合に自動登録
    (登録するかどうかは任意で選択可能)

日本語化パッチはフリーソフトでDTMで配布されているパッチを元にフォントサイズの変更などを行っています。
(素晴らしい日本語化パッチを公開していただきありがとうございます)

パッチの適用やファイル操作などは手動でやると地味に面倒です。
実はこのツールを作る前に途中まで説明も書いていたんですが、なんかもう説明するよりツールを作った方が早いことに気付きました。

以下の画像をクリックして直接ダウンロードできます。

「REAPER ReaPlugs 統合支援ツール for Windows2000/XP/Vista/7」をダウンロード

なお、ソースコードが必要な方はこちらからダウンロードできます。
内容が信頼できない場合に処理を確認して自分でコンパイルなどするといいと思います。
開発に使用している AutoIt の UPX 圧縮機能などがセキュリティソフトに誤検出される可能性もあるので一応……。

インストール

ダウンロードしたファイルは以下の順番でインストールしていきます。
REAPER と ReaPlugs の順番はどちらでも構いませんが、両方とも新規にインストールすることを前提としています。
もし上手く行かない場合は一旦全てアンインストールして入れなおすと改善される可能性があります。

  1. REAPER v0.999
  2. ReaPlugs v2.0
  3. REAPER ReaPlugs 統合支援ツール

REAPER v0.999 のインストール

インストーラのアイコン
ダウンロードしたファイルを実行するとインストーラが起動します。

License Agreement
利用規約を読んだ上で I Agree を押して同意します。

Choose Components
インストールする項目を選ぶ画面です。
あとで「REAPER ReaPlugs 統合支援ツール」を使う場合はそのまま特に変更する必要はありません。
使わない場合は ReaComp, ReaGate, ReaFir, JS FX processing のチェックを外しましょう。
Next > を押して次に進みます。

Choose Install Location
インストール先を選ぶ画面です。
特別な理由がなければ変更する必要はないので Install ボタンを押してインストールを開始します。

Installation Complete
少し待てばすぐにインストールが完了します。Close を押しましょう。

REAPER now installed. Run now?
ダイアログが表示され今すぐ起動するか聞かれますが、まだ他のものをインストールするのでここでは「いいえ」を選びます
起動してしまった場合は「REAPER ReaPlugs 統合支援ツール」を使う前に必ず終了させておきましょう。

これで REAPER のインストールは完了です。

ReaPlugs v2.0 のインストール

インストーラのアイコン
ダウンロードしたファイルを実行するとインストーラが起動します。

License Agreement
利用規約を読んだ上で I Agree を押して同意します。

Choose Components
インストールする項目を選ぶ画面です。
特に変更する必要はありませんので Next > を押して次に進みます。

Choose Install Location
インストール先を選ぶ画面です。
ここは環境によって標準のインストール先が変化することがあります。
そのままで問題がなければ Install ボタンを押してインストールを開始しましょう。

Installation Complete
少し待てばすぐにインストールが完了します。Close を押しましょう。

ReaPlugs are now installed.
インストールが完了したことをそんなに教えてくれなくてもいいんですが教えてくれてます。
ありがとう。閉じよう。

これで ReaPlugs のインストールは完了です。

REAPER ReaPlugs 統合支援ツールの適用

この作業を始める前に音を扱うソフトは全て終了しておくことをオススメします。
特に REAPER を起動していなくても他の音楽関係のソフトなどが ReaPlugs を読み込んでファイルの更新に失敗する可能性もあります。

インストーラのアイコン
ダウンロードしたファイルを実行すると以下のような確認のダイアログが表示されます。

実行の確認ダイアログ
内容を確認し、問題なければ「はい」を選びます。

REAPER のインストール先を指定
REAPER v0.999 のインストール先を指定します。
入力欄の内容が間違っている場合は訂正し、問題なければそのまま OK を押してください。
入力された内容は簡易的なチェックが行われた上で次に進みます。

ReaPlugs のインストール先を指定
ReaPlugs v2.0 のインストール先を指定します。
入力欄の内容が間違っている場合は訂正し、問題なければそのまま OK を押してください。
入力された内容は簡易的なチェックが行われた上で次に進みます。

パッチ適用の確認
入力内容が間違っていなければパッチ適用の確認ダイアログが表示されます。
「はい」を選ぶと REAPER と ReaPlugs へのパッチ適用処理が開始されます。

パッチ適用の完了
適用処理が終わると「閉じる」ボタンが押せるようになりますのでダイアログを閉じましょう。

ダイアログが閉じられたあと、統合支援ツールは REAPER から不要なファイルの削除、必要なファイルのコピーなどを行います。
具体的には REAPER の ReaComp, ReaGate, ReaFir, ReaJS を削除し、ReaPlugs に付属している ReaJS 用ファイルの一部を REAPER のインストール先にコピーします。

VST検索パス追加の確認
もし ReaPlugs が REAPER の VST エフェクト検索対象になっていない場合、このようなダイアログが表示されます。
ここで「はい」を選ぶことで、自動的に ReaPlugs を REAPER のエフェクト検索対象に加えることができます。
もし既に他のフォルダが登録されている場合でも上書きすることなく適切に追加されます。

完了通知
以上で REAPER ReaPlugs 統合支援ツールの処理が完了しました。
お疲れ様でした。

REAPER から音を出すための初期設定

環境に特に問題がなければ、何もせずとも既に音が出る状態かも知れません。
録音をしてみると音がプチプチと切れてしまったりする場合などには、この説明が参考になるかも知れません。

  1. REAPER を起動する
  2. オーディオデバイスの設定

REAPER を起動する

REAPER をインストールした時にデスクトップに作られたショートカットや、
スタートメニューから[プログラム]→[REAPER]→[REAPER]などと選ぶことで起動することができます。

もし以前に音楽系ソフトを使っていて、その時にエフェクタなどを導入していると REAPER がそれを読み込みにいく可能性があります。
場合によりますが、そこにあるエフェクタを読み込む途中で REAPER が強制終了してしまうことがあるようです。

もし強制終了してしまった場合、何度か REAPER を起動させ直してみましょう。
それでも改善しないようなら一度エフェクトを整理する必要があるかも知れません。
ReaPlugs のインストール先の1つ上のフォルダに他のエフェクタがあれば、そこに原因があるかも知れません。

REAPER メインウィンドウ
起動時のチェック類が全て終わるとメインウィンドウが表示されます。
最初の設定が終わったら以後の作業はこのウィンドウを中心に進めていくことになります。

REAPER 新しいバージョンのお知らせ
メインウィンドウの表示と同時にこのようなダイアログが現れて、新しいバージョンがあることを教えてもらえることがあります。
そもそも v0.999 というフリー版を選んで使っているわけで、最新版にはしないでしょうから左下のチェックを外して右下の閉じるを押しましょう。

オーディオデバイスの設定

パソコン環境にもよりますが、オーディオデバイスの設定も REAPER の中ではフリーズ/クラッシュしやすい場所です。
もし設定画面を開く瞬間や設定を切り替えた瞬間のように同じ操作で何度もクラッシュする場合は、
REAPER の起動をダブルクリックではなく右クリックメニューから「管理者として実行...」で選ぶと回避できることがあります。
ただし「管理者として実行」はパソコンの重要な部分を変更することも出来る危険なモードなので注意して使ってください。

REAPER メインウィンドウ
メインウィンドウ内の右上にあるテキスト(赤い枠で括っているあたり)をクリックすると、オーディオデバイスの設定画面を表示することができます。

REAPER 設定
初期設定はどの環境でも恐らく問題なく鳴るだろうと思われる最低限の設定になっています。
ここ適切に設定すると問題が解消されたりする可能性があります。

  • 録音時にプチプチ音が切れるのを回避できるようになる
  • 大量のエフェクトを使っても安定再生できるようになる

最適な設定はパソコン環境や使いたいエフェクトの数、他に立ちあげているソフトなどに依存するため人それぞれです。
基本的には使っていて問題なければ何でも構いません。

「オーディオシステム」の選択肢は Kernel Streaming、Direct Sound、WaveOut、ASIO の4つがあります。
それぞれについて簡単に解説してみました。

ASIO

使えるのであれば ASIO で設定するのが一番理想的です。
使うためには ASIO に対応したオーディオインターフェイスが必要になります。
リンクしたもの以外にも色々なメーカーから出ていますので探してみてください。

ASIO が使えない環境でも ASIO を使えるようにするための ASIO4ALL というものもありますが、
これは内部で Kernel Streaming を使って音を出すようになっています。
ASIO4ALL は使わずに REAPER で直接 Kernel Streaming を使うように設定した方が効率がいいです。
Kernel Streaming に対応しているソフトで ASIO4ALL を使うのはやめましょう。

Kernel Streaming

Kernel Streaming は Windows2000 以降で使えるオーディオシステムです。
シンプルで無駄のない構造のため綺麗な音で再生できるなどいくつか利点がありますが、適切に設定しないと再生できなかったり、音がプチプチ鳴ったりします。

また、Kernel Streaming は排他的ロックを取得する必要があるため、他のソフトが一切音を出せない状態になります
例えば YouTube やニコニコ動画の音を聴きながら歌を録音するようなことはできなくなってしまうし、
他のソフトから音を出している時に REAPER を起動すると初期化に失敗してエラーメッセージが表示されるかも知れません。

Direct Sound

元々はゲームなどリアルタイム性が重要な用途のために作られたオーディオシステムです。
従来の WaveOut に比べればマシなものの、音楽用途に使うにはまだ力不足な感じが否めません。

Direct Sound の利点は Direct という名前にもある通りハードウェアを直接操作して無駄がないのが利点でしたが、
WindowsVista 以降ではハードウェアを直接操作することもなくなったためその利点もなくなりました。

WaveOut

昔からある伝統的なオーディオシステムです。
設定を変に間違えない限りは大抵は音が出るはずです。

一般的には紹介した順番でオススメされていますが、Kernel Streaming の排他的ロックは結構不便です。
面倒なことを避けるなら Direct Sound にしておくのが無難かもしれません。

オーディオシステム以外の設定項目はどのオーディオシステムを選んだのかによって若干変化します。

設定すべき値は環境によって異なりますが、例えば「サンプルレート」は 44100Hz や 48000Hz などに対応している機器が多く、
「サンプル形式」は Kernel Streaming を使う場合は適切に選ばなければノイズが鳴ったりすることもあります。

もし再生時や録音したデータの音がプチプチと鳴る場合は「バッファ」の設定も見直してみましょう。
値を大きくしても直らない時は、試しに REAPER を一旦終了させて立ち上げ直してみましょう。これで直ってしまうこともあります。

その他に起こる問題としては、歌を録音した時などに位置がずれてしまうことがあります。
これに関しては録音の解説で紹介します。